刺激の強い食品は多汗症を悪化させる!

多汗症の主な原因としては「ホルモンバランスの乱れ」と「自律神経の不調」の2つが挙げられます。

もし食事療法で症状の改善を目指しているなら、交感神経を過度に刺激するような食事メニューを控え、ホルモンバランスを正常な状態に整えてくれる食材を献立に取り入れると良いでしょう。

刺激の強い食品は多汗症を悪化させる

辛い料理や酸味の強い料理は、交感神経を刺激して発汗をさらに促してしまいます。

ですから、トウガラシや辛味スパイスなどの香辛料が使われている料理は極力避けてください。

また、カフェインも交感神経を刺激することで知られています。コーヒー・紅茶・緑茶など、カフェインを含む飲料が好きな方は要注意です。

その他、脂肪分の多い食事を避けることも大切です。
体脂肪率が上がると体はエネルギー消費が増えるため、より発汗しやすくなってしまうからです。

バター・チーズなどの乳製品や揚げ物、市販されているドーナツ菓子などの高カロリー食品は極力摂取を控えることをおすすめします。

大豆を中心とした低刺激の食品を積極的に摂取しよう

大豆に含まれているイソフラボンには、ホルモンバランスを整えて自律神経を安定させる働きがあるとされています。

ですから、豆腐や納豆などの大豆加工食品を毎食の献立に取り入れるようにしましょう。
朝一杯の豆乳を飲むだけでもかなりの効果が期待できます。

また、アボカドやもやしなどにも、ホルモンバランスを整えて自律神経を安定させる栄養素が豊富に含まれています。

キュウリやトマト、ナスなどの野菜は「クール・ベジタブル」と呼ばれ、サラダとして摂取することで体を冷やす効果が期待できます。
少量でも良いので、毎食の献立に生野菜サラダを添えるよう心がけましょう。

なお、飲み物としておすすめなのは、リラックス効果のあるハーブティーです。

ジャスミンやローズマリーには交感神経の働きを鎮静化させる効果があるので、多汗症の人にぴったりの飲料と言えるでしょう。

多汗症の治療法とセルフケアするときのポイント

多汗症の治療技術は近年急速に進歩してきています。

以前は塗り薬による治療が一般的とされていたものの、最近では注射や手術による治療法も確立されてきています。

多汗症の治療法にはさまざまな種類がある!

多汗症の治療法として最も一般的なのは「塗り薬」です。

よく処方されている塗り薬は塩化アルミニウムが含まれた軟膏です。その軟膏を塗布して汗腺をふさぐことにより、過剰な発汗を抑制するのです。

塩化アルミニウムは市販されている制汗スプレーにも配合されている成分で、アレルギー反応を起こすリスクが非常に低いという利点があります。

ただし、1度の塗布で症状が劇的に改善することがないことも覚えておきましょう。

次に考えられるのは「ボトックス注射」です。

交感神経の働きを抑制する「ボツリヌス菌」を患部に注射することで、発汗を劇的に抑えることができます。ただし、制汗効果は4カ月から8カ月程度で、根治するわけではありません。

3つ目は「内視鏡手術」です。

多汗症になっている部位を切開して、交感神経を切除するという方法で、確実に発汗を抑えることが可能です。

また、切開のサイズは3mmないし4mm程度なので、回復は早く傷跡もほとんど残りません。とはいえ、手術の反動として別の部位から大量の発汗が起こるリスクもあります。

セルフケアで治したい人は「ストレス対策」をしっかりと行おう

「手術は不安だから、セルフケアで症状を改善したい…」という人は、ストレスをためない生活スタイルを心がけましょう。

多汗症はストレスによって自律神経が不安定になることが主な原因とされています。
ですから、運動を定期的にすることや、十分な睡眠を心がけることにより、ストレスを減らす努力を払いましょう。

入浴時はシャワーではなく、湯船につかってしっかりと汗をかくことも、自律神経を安定させる効果があります。

また、就寝前にはリラックス効果のあるお茶を飲むことで、自律神経をゆっくりと休ませることができます。

多汗症にはどんな種類がある?


多汗症は「全身性多汗症」と「局所性多汗症」という2つの種類に大別されます。

ただし、局所性多汗症は、症状が見られる部位に応じて細かな分類が行われています。

全身性多汗症とは何か

全身性多汗症とは、文字通り全身から大量の汗をかく症状のことです。

いわゆる「汗っかき」と異なるのは、「気温が非常に高い」「とても緊張している」「全身運動をした」というように、体内に熱が蓄積している状況でなくても大量の汗をかいてしまうことです。

全身性多汗症はリウマチや結核、更年期障害などさまざまな病気が原因となって発症します。

また、糖尿病や甲状腺障害、あるいは重篤な内臓疾患によるホルモンバランスの乱れによって発症することもあると考えられています。

「もしかして全身性多汗症かな…」と思ったなら、すぐに専門医の診察を受けると良いでしょう。

局所性多汗症は細かな分類がある

局所性多汗症とは、わきの下や足の裏など、体の一部から大量の汗をかく症状のことです。

主に自律神経のバランスが崩れることで発症すると考えられており、多汗症患者と診断される人のおよそ90%はこの局所性多汗症であると考えられています。

局所性多汗症はどの部位から発汗しているかによって細かな分類がなされています。

「頭部多汗症」の人は頭部から常に発汗していて、毛髪が常に濡れたような状態になっています

「腋窩多汗症」はわきの下から常に発汗する症状で、わきがの症状と類似しています。ただし、わきがのように強い匂いを発することはありません。

「手掌多汗症」は手のひらから汗が常に出ている状態のことです。

もう1つは「足蹠多汗症」で、足の裏から常に発汗しています。そのため、靴や靴下が蒸れやすく、水虫などの病気にかかりやすくなります。

手のひらと足の裏は神経のつながりが強いとされており、2カ所同時に多汗症が発症することは珍しくありません。その場合は「手掌足蹠多汗症」と呼ばれます。